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新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)

脳疾患の解説  / 頭痛

その頭痛、「始まった日」を覚えていますか?
― 新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)という頭痛について ―

※画像は生成AIで作成したイメージです。

「ある日を境に、毎日ずっと頭が痛い」
「検査では異常がないと言われたのに、つらさが続いている」

このような頭痛でお困りの方の中には、
新規発症持続性連日性頭痛(New Daily Persistent Headache:NDPH)
と呼ばれるタイプの頭痛が隠れていることがあります。

NDPHは、画像検査などで明らかな異常が見つからないことも多く、
痛みの原因が分かりにくい頭痛のひとつです。
そのため、診断や治療に時間を要する場合もありますが、
「異常がない=つらさが気のせい」というわけではありません。

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下高井戸脳神経外科クリニックでは、

・頭痛のタイプを見極めるための詳細な問診と神経学的検査
・必要に応じてMRIを用いた評価により、

危険な二次性頭痛の除外を丁寧に行い、頭痛の背景を整理したうえで、
患者さまと一緒に、無理のない治療方針を考えていきます。

「いつから始まったか」
その一言が、診断の大切な手がかりになることがあります。

原因がはっきりしない頭痛でお困りの際も、
どうぞ一度ご相談ください。

「あの日から毎日続く頭痛」でお困りの方へ
危険な二次性頭痛の除外と、頭痛の経過整理(始まり方・痛みの質・随伴症状)の確認が重要です。まずは初診枠でご相談ください。

目次

1.NDPHとは?(専門用語を使わずに)

NDPHは、ひと言でいうと
「ある日突然始まり、その日から一度も途切れずに続く頭痛」
です。
それまで頭痛とは無縁だった方、
たまに頭痛があっても市販薬で治っていた方が、
ある日を境に“毎日続く頭痛”に悩まされる状態に変わってしまうという、
非常に特徴的な経過をたどります。
医学的には
「発症から3か月以上、連日持続している頭痛」
と定義されていますが、
患者さんの感覚としては
「あの日から、ずっと」
という表現が最も近いかもしれません。
NDPHは一般的に若年〜中年層に好発するとされますが、
小児から高齢者まであらゆる年齢で突然発症する可能性がある頭痛です。
女性にやや多いとされますが、性差は地域や研究により異なり、
日本の一部報告では男性にやや多い傾向も見られます。

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2. まずは、こんな“物語”から(架空の症例です)

「あの日」から、頭痛のない時間がありません
「〇月〇日です。
その日がいつか、はっきり覚えています。」

Aさんは30代の女性。これまで大きな病気もなく、
慢性的な頭痛に悩むことがなかった。
「連休明けの午後、デスクワーク中に
頭全体を重いもので包まれたような違和感を感じました。
その日は早めに休みましたが、
翌朝になっても痛みは消えず、
それ以来――
1日たりとも、頭痛が消えた日はありません。」

市販薬だけでなく、病院で処方された薬さえも効かず、
原因を調べるために施行したMRIでは「異常なし」。
「原因が分からない」という状況そのものが、
大きな不安とストレスになっていきました。

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3. NDPHの大きな特徴

「始まった日」をはっきり覚えている
NDPHの最大の特徴は、
発症した日を“日付単位”で覚えていることです。
• 「○月○日の午後から」
• 「あの出来事の翌日から」
と、頭痛のエピソードに明確なスタート地点があります。
多くの場合、発症から24時間以内に
頭痛は「途切れない状態」として完成し、
その後は無痛の時間がありません。

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4. 発症のきっかけは?

約4割の方が、発症前後に何らかの出来事を覚えています。
• 風邪やインフルエンザのあと
• 強いストレスがかかった時期
• 手術や体調不良のあと
一方で、半数以上は明確なきっかけがありません。
「突然始まった」という感覚も、NDPHの特徴です。

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5. どんな痛みですか?

NDPHの痛みは人によって異なりますが、
次のような傾向があります。

項目 特徴
場所 多くは両側性(頭全体・後頭部・目の奥など)
痛みの質 締め付けられる感じ、重い感じ、ズキズキする拍動痛
強さ 中等度〜重度
持続 24時間、毎日続く(無痛の時間がない)
随伴症状 吐き気、光や音がつらい(片頭痛に似た症状)


片頭痛のような症状を伴うタイプと、
緊張型頭痛に似たタイプの両方が存在します。

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雷鳴頭痛とは違うのですか?

ここは、とても大切なポイントです。
雷鳴頭痛とは
• 1分以内にピークに達する激しい頭痛
• くも膜下出血やRCVSなど、緊急性の高い病気を疑います
NDPHの場合
• 「突然始まった」という点は共通します
• しかし1分以内にピークに達する爆発的な痛みという定義には当てはまりません
• 発症後、24時間以内に持続性の痛みとして完成します
そのため、
最初に危険な二次性頭痛を除外することが必須になります。

*ただし一部のNDPHの患者様は雷鳴頭痛様の発症をすることがあるという報告もあり注意が必要です。

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6. MRIで「異常なし」と言われる理由

NDPHは
脳腫瘍や脳出血など、形として見える異常が原因ではない
「一次性頭痛」に分類されます。
MRIやMRAで異常が見つからないことは、
「命に関わる危険な病気ではない」
ことを確認できた、非常に重要な結果です。
「異常がない=気のせい」
という意味では、決してありません。

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7. 鑑別が必要な二次性頭痛とMRIの役割

NDPHと診断するためには、
似た症状を起こす二次性頭痛を除外する必要があります。

疾患 MRIで分かること
くも膜下出血 FLAIRやT2*で微量出血を検出
脳動脈解離 MRAで血管の狭窄・拡張
RCVS 分節状血管攣縮
脳静脈血栓症 脳浮腫、(MRVで静脈閉塞)
低髄液圧性頭痛 脳の下垂等
脳腫瘍・下垂体卒中 腫瘍性病変と出血の有無

MRAを含めたMRI検査は、
NDPH診断における「土台」となります。

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8. 治療について

NDPHは、治療に時間がかかることがあります。
• 一般的な鎮痛薬が効きにくい特徴があります
• 抗てんかん薬、抗うつ薬などを組み合わせることもあります
• 初期報告では自然寛解率が高いとされましたが、近年の専門施設での研究では治療抵抗性が高いケースも多く報告されています
大切なのは、ひとりで抱え込まないことです。

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9. こんな頭痛はありませんか?

• 「頭痛が始まった日」をはっきり覚えている
• あの日以来、1日たりとも頭痛が消えていない
• 市販薬や通常の痛み止めが効かない
• MRIでは異常なしと言われたが、つらさが続いている
もし当てはまるなら、
それは「体質」や「気のせい」ではなく、
NDPHかもしれません。

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10. よくあるご質問(Q&A)

「始まった日」を覚えていないと、NDPHではないのでしょうか?

必ずしも否定されるわけではありません。
NDPHの大きな特徴は「発症日をはっきり覚えていること」ですが、時間が経つにつれて記憶があいまいになることもあります。
診察では、
• いつ頃から
• どのような経過で
• 痛みが途切れない状態になったか
を丁寧に確認し、総合的に判断します。

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MRIで「異常なし」と言われましたが、本当に大丈夫なのでしょうか?

MRIで「異常なし」は、とても重要な結果です。
MRIやMRAで異常が見つからないことは、
脳出血・腫瘍・血管の異常などが否定できた
という意味があります。
NDPHは画像に写らない「一次性頭痛」であり、
つらい痛みは、決して気のせいではありません。

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この頭痛は一生続くのでしょうか?

経過には個人差があります。
数か月で自然に軽快する方もいれば、
年単位で続く方もいます。
ただし、時間とともに痛みの性質が変わったり、
少しずつ楽になるケースも少なくありません。
定期的な診察を通じて、経過を見極めていくことが大切です。

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市販の痛み止めが効きません。治療法はあるのでしょうか?

NDPHでは、一般的な鎮痛薬が効きにくいことがあります。
そのため、
• 頭痛のタイプに応じた内服薬
• 痛みの感受性を調整する薬
などを組み合わせて治療を行うことがあります。
「効かないから仕方がない」と諦めず、治療の選択肢を一緒に探します。

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ストレスや気持ちの問題が原因ですか?

ストレスがきっかけになることはありますが、
「心の問題だけ」で説明できる頭痛ではありません。
身体の中で起きている変化を前提に考えつつ、
必要に応じて生活リズムやストレスへの対応も含めて診療します。

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群発頭痛や片頭痛とは違うのですか?

はい、異なります。
NDPHは
• ある日突然始まり
• その日から毎日続く
という点が最大の特徴です。
群発頭痛や片頭痛は「発作性」であるのに対し、
NDPHは持続性の頭痛です。

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どのタイミングで受診すべきですか?

次のような場合は、受診をおすすめします。
• 現在生活に支障を来たしている頭痛が始まった日をはっきり覚えている
• 毎日続く頭痛が3か月以上続いている
• 市販薬が効かず、生活に支障が出ている

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他院で「異常なし」と言われましたが、再度受診してもよいですか?

もちろん問題ありません。
画像検査だけでなく、
頭痛の経過・始まり方・痛みの性質を丁寧に整理することで、
診断につながることがあります。
他院でのMRI結果をお持ちいただけましたら拝見いたします。
(その内容に基づき医学的な判断や説明を行った場合、保険診療上の点数が算定されることがあります。)

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治療にはどれくらい通院が必要ですか?

治療に対する症状の変化を見ながら調整していくため、
一定期間の通院が必要になることがあります。
通院間隔や治療内容は、症状に応じて相談しながら決めていきます。

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「原因が分からない」と言われるのが不安です

そのお気持ちは、とても自然なものです。
当院では
「異常がない」ことを丁寧に説明し、
「何が分かっていて、何が分かっていないのか」
を共有することを大切にしています。
不安も含めて、どうぞご相談ください。

11.受診をお考えの方へ

NDPHが疑われる頭痛では、治療薬に対する反応性が乏しく、患者様おひとりおひとりに有効な治療法を丁寧に探していく姿勢が大切であると考えています。症状でお困りの方は初診枠をご予約ください。

東京都杉並区・世田谷区・渋谷区西部を中心に、京王線(下高井戸・明大前・桜上水・千歳烏山・上北沢・八幡山・芦花公園・笹塚・代田橋)、京王新線(幡ヶ谷・初台)、東急世田谷線(松原・山下・宮の坂)、小田急線沿線(代々木上原・東北沢・下北沢・世田谷代田・梅ヶ丘・豪徳寺)、渋谷区西部(上原・大山町・西原・本町)から通院しやすい立地にある脳神経外科専門クリニックです。

頭痛・めまい・しびれ・脳梗塞後の経過観察などを中心に、日本脳神経外科学会専門医である院長が、診察から検査結果の説明まで一貫して対応しています。
初診枠をご予約のうえご来院いただいた場合、症状と診察所見から医学的に必要と判断され、かつMRI検査の禁忌事項がない場合には、当日中にMRI検査および結果説明が可能です(土曜日も17時開始枠まで初診予約が可能です)。
詳しいアクセス方法は、サイト内のアクセス案内をご覧ください。
ご予約はこちらから。
群発頭痛ではないと言われたが、強い片側頭痛が続いている方も、どうぞご相談ください。

受診の流れ
①初診枠を予約 ②ご来院・問診 ③必要に応じてMRI/MRA ④結果説明と治療方針の相談

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12.参考文献

1. Patniyot I, Qubty W. Headache in Adolescents. Neurol Clin. 2023;41(1):177-192.
2. Rozen TD. New daily persistent headache. In: Nappi G, Moskowitz MA, editors. Handbook of Clinical Neurology, Vol. 97 (3rd series) Headache. Elsevier B.V.; 2011.
3. Miyahara J, Sugiyama H, Yamakawa K, Kashiwaya Y, Kikui S, Ishizaki K, et al. Clinical analysis of new daily persistent headache (NDPH) in a Japanese 62 case series. J Neurol Sci. 2017;381(Suppl):259.
4. 日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳. 国際頭痛分類 第3版 (ICHD-3). 東京: 医学書院; 2018.
5. 北村重和. 新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)の診断,治療,予後. In: 竹島多賀夫 編. ジェネラリストのための頭痛診療マスター (jmedmook 82). 東京: 日本医事新報社; 2022. p. 108-110.

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13.本記事の執筆者について

本記事は、下高井戸脳神経外科クリニック院長であり、
日本脳神経外科学会専門医・医学博士の 髙橋 里史 が執筆しています。
国際的な総説論文・標準的教科書に基づき、
専門的な内容を一般の方にも分かりやすく整理しています。

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