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朝起きたら頭が痛い

既存のブログ記事「頭痛が起こる『タイミング』から推察される原因」では「時間帯から原因を推察する考え方」を網羅的にご紹介しましたが、本稿ではその中から「朝起きた時の頭痛」に特化し、国際頭痛分類(ICHD-3)と臨床的知見に基づいて、原因・診断・対応を整理します。

朝の頭痛は、睡眠関連(睡眠時無呼吸関連頭痛など)片頭痛緊張型頭痛血圧変動副鼻腔炎、そして二次性頭痛(脳の病気)まで幅広い原因があり得ます。特に50歳以降の初発突然の激しい痛み麻痺・しびれ・ろれつ不良などの神経症状がある場合は、二次性頭痛の可能性を念頭に早めの評価が重要です。

記事のまとめと当院頭痛外来でできること

  • 朝の頭痛は、睡眠・循環・炎症(副鼻腔)・一次性頭痛(片頭痛/緊張型)・二次性頭痛など、原因が多岐にわたります。
  • レッドフラッグ(危険サイン)があれば、まず二次性頭痛の除外を優先します。
  • 薬の使いすぎ(薬物乱用性頭痛:MOH)は、「起床時から痛い」パターンになりやすく、必ず確認します。

下高井戸脳神経外科クリニックの頭痛外来でできること

  • 頭痛の詳しい問診・神経学的診察
  • 必要に応じたMRI / MRA(危険な頭痛の除外検査)
  • 片頭痛・緊張型頭痛・睡眠関連頭痛・二次性頭痛の鑑別と治療提案
  • 睡眠時無呼吸が疑われる場合は、適切な専門検査(睡眠検査など)・連携紹介

当院の初診枠は診察の1時間前まで予約可能です。医学的に必要と判断され、MRIの禁忌に該当せず、検査をご希望の場合は、当日中にMRI検査を行い結果をご説明します(混雑状況により待ち時間が生じる場合があります)。

下高井戸脳神経外科クリニックは京王線・東急世田谷線 下高井戸駅から徒歩2分。沿線のみなさま、世田谷区・杉並区・渋谷区・調布市などからも通いやすい立地です。症状とご不安の早期解決をお手伝いします。

ご予約はこちらから。


 目次

  1. 1. 朝の頭痛とは
  2. 2. 睡眠関連頭痛(睡眠時無呼吸関連頭痛 など)
  3. 3. 血圧の影響と注意点
  4. 4. 副鼻腔炎による朝の頭痛
  5. 5. 片頭痛(早朝発症を含む)
  6. 6. 緊張型頭痛
  7. 7. 二次性頭痛とレッドフラッグ(SNNOOP10)
  8. 8. 薬物乱用性頭痛(MOH)
  9. 9. 受診の目安と検査
  10. 10. まとめ

1. 朝の頭痛とは

「朝起きた時から頭痛がある」という症状は、頭痛が起こるタイミングから原因を推察する重要な手がかりです。起床直後の痛みは、睡眠構造(呼吸・覚醒反応)や、夜間〜早朝の循環変動、痛みの閾値の変化などと関連します。

同じ「朝の頭痛」でも、痛みの性質(締め付け/拍動)持続時間随伴症状(吐き気・光過敏・鼻症状)血圧いびきや日中の眠気薬の使用頻度で原因が大きく変わります。


2. 睡眠関連頭痛(睡眠時無呼吸関連頭痛など)

国際頭痛分類(ICHD-3)では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)関連頭痛が定義されています。朝の頭痛の代表的な原因の一つです。

特徴

  • 起床時に頭痛がある
  • 多くは両側で、圧迫感/締め付け感
  • 起床後4時間以内に軽快(典型的には短時間で軽くなることも)
  • 月15日以上の頻度で起こることが多い
  • 吐き気・光過敏は強くないことが多い

病態(なぜ起こる?)

睡眠中の呼吸低下・低酸素により、酸素飽和低下や二酸化炭素の蓄積、夜間の循環変動が生じ、頭痛につながると考えられています。

臨床的ポイント

睡眠時無呼吸が疑わしい場合は、確定診断に睡眠検査(PSGなど)が必要です。当院では睡眠検査は実施していないため、必要に応じて適切な医療機関へご紹介します。


3. 血圧の影響と注意点

軽度〜中等度の慢性高血圧は、通常は頭痛の直接原因になりにくいとされています。一方で、急激な血圧上昇がある場合は注意が必要です。

  • 収縮期180mmHg以上または拡張期120mmHg以上のような高度上昇
  • 強い頭痛に加えて、胸痛・息切れ・神経症状・意識の異常などがある

このような場合は、単なる「血圧の頭痛」と決めつけず、背景にある二次性頭痛や緊急疾患の可能性も含めて評価が必要です。


4. 副鼻腔炎による朝の頭痛

副鼻腔の分泌物が夜間に貯留し、朝に圧が高まることで痛みが出ることがあります。前屈や顔面圧迫で悪化し、鼻づまり、後鼻漏(のどに落ちる鼻水)、嗅覚低下などを伴うこともあります。

  • 頬・目の奥・眉間など顔面寄りの痛み
  • 前屈でズキッとする、重い感じが増す
  • 鼻症状(鼻づまり、膿性鼻汁、後鼻漏)

副鼻腔炎による頭痛は、朝に強く出やすいという特徴があります。
これは、夜間から起床時にかけて起こる体の変化が関係しています。

  • 寝ている間は仰向けの姿勢が続くため、副鼻腔内に膿や分泌物がたまりやすくなります

  • 起床して体を動かしたり、前かがみになると洞内の圧が変化し、また、静脈圧上昇による血管拡張と神経刺激のため痛みを強く感じやすくなります

その結果、起床時や朝の動き始めに、額・眉間・目の奥が重く痛むという症状が出やすくなります。

一方で、「副鼻腔の陰影」が画像で見えても、症状の主因が片頭痛であることもあります。頭痛の性状と随伴症状を合わせて判断することが重要です。


5. 片頭痛(早朝発症を含む)

片頭痛は日中に起こる印象が強い一方、睡眠リズムの変動、脱水、ストレス、食事リズムの乱れなどを背景に、早朝に発作が始まることもあります。

特徴

  • 拍動性(ズキズキ)の痛み
  • 吐き気、光/音過敏
  • 日常動作で悪化(階段、家事などでつらくなる)

治療

急性期はNSAIDsやトリプタンなどを状況に応じて使用し、発作頻度が高い場合は予防治療も検討します。起床直後に強い発作が多い方は、生活リズム・睡眠・薬の使い方も含めて戦略を立てることが重要です。


6. 緊張型頭痛

緊張型頭痛は、午後〜夕方に強くなる傾向がある一方、慢性化すると睡眠不足やストレスにより、朝から鈍い締め付け感が一日中続くこともあります。

特徴

  • 両側性
  • 締め付け感、重い感じ
  • 動作で悪化しにくい

首・肩こり、噛みしめ、デスクワーク姿勢、睡眠の質などが関与していることも多く、薬だけでなく生活・姿勢・睡眠の見直しが効果的な場合があります。


7. 二次性頭痛とレッドフラッグ(SNNOOP10)

朝の頭痛の多くは一次性頭痛ですが、「二次性頭痛(=何らかの疾患が原因)」を疑うべきサインを見逃さないことが極めて重要です。国際的に広く用いられているのが、SNNOOP10(スヌープ・テン)というチェックリストです。

SNNOOP10とは何か

SNNOOP10は、「この頭痛は精密検査が必要か?」を判断するための臨床的警告サイン(Red Flags)です。頭文字がそれぞれの危険サインを表します。

S:Systemic symptoms / disease(全身症状・全身疾患)

  • 発熱
  • 体重減少
  • 悪性腫瘍、免疫不全、膠原病の既往

感染症(髄膜炎など)や悪性腫瘍の転移などを疑います。

N:Neurologic symptoms or signs(神経症状)

  • 片側の手足のしびれ・麻痺
  • ろれつが回らない
  • 視野障害
  • 意識障害

脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などの可能性を考慮します。

N:New onset or change(新規発症/性状変化)

  • これまでにない頭痛
  • 明らかに性質が変わった

「いつもの頭痛と違う」は重要なキーワードです。

O:Onset sudden(突然発症)

  • 数秒〜1分以内にピーク
  • 「人生最悪の頭痛」

雷鳴頭痛として、くも膜下出血や可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)などを疑います。

O:Older age(高齢発症)

  • 50歳以降の初発頭痛

側頭動脈炎、脳腫瘍などの頻度が上がります。

P:Positional headache(体位で変化)

  • 起き上がると悪化/横になると軽快
  • 逆に横になると悪化

低髄液圧症候群/脳圧亢進などを考えます。

P:Precipitated by Valsalva(いきみ・咳で誘発)

  • 咳・排便・前屈で悪化

後頭蓋窩病変、脳腫瘍、脳動脈瘤などを念頭に置きます。

P:Papilledema(うっ血乳頭)

  • 眼底で視神経乳頭腫脹

脳圧亢進を示唆する重要な所見です。

P:Progressive headache(進行性)

  • 日に日に悪化
  • 頻度・強度が増す

脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などの可能性があります。

P:Pregnancy / postpartum(妊娠・産褥期)

  • 妊娠中・出産後の頭痛

脳静脈血栓症(CVT)などを念頭に置きます。

P:Painful eye with autonomic features(眼痛+自律神経症状)

  • 眼の奥の激痛
  • 充血・流涙

急性緑内障、群発頭痛、血管病変などの鑑別が必要です。

朝の頭痛 × SNNOOP10 が重要な理由

朝は、夜間に脳圧が上がりやすい病態や、出血・腫瘍・静脈系の障害などが症状として表れやすい時間帯です。「朝だから様子見」ではなく、レッドフラッグがないかの確認が大切です。


8. 薬物乱用性頭痛(MOH)

薬物乱用性頭痛(MOH:Medication Overuse Headache)は、鎮痛薬やトリプタンなどの使い過ぎにより生じる二次性頭痛です。

なぜMOHは朝に起こりやすいのか

(1)夜間の薬効切れ(反跳)

  • 就寝中は薬を内服しない
  • 明け方〜起床時に血中濃度が低くなる

結果として「薬が切れた反跳痛」として朝に出現しやすくなります。

(2)痛覚感受性の慢性上昇

  • 鎮痛薬・トリプタンの頻回使用で中枢が過敏な状態になる

軽微な刺激でも朝から痛みを感じやすくなります。

(3)睡眠構造の障害

  • カフェイン含有薬などで睡眠の質が低下する

浅い睡眠が続くことで起床時頭痛につながることがあります。

MOHの診断で重要なポイント

  • 頭痛が月15日以上ある
  • 起床時から痛いことが多い
  • 3か月以上、定期的に薬を使用している
  • 単一成分鎮痛薬(NSAIDsなど):月15日以上
  • トリプタン・エルゴタミン・オピオイド・複合鎮痛薬:月10日以上

MOHは「薬をやめれば治る」だけではありません

  • 急な中止で頭痛が一時的に悪化することがあります
  • 元々の片頭痛・緊張型頭痛の再評価が必要です

計画的な減薬と、必要に応じた予防治療が重要です。


9. 受診の目安と検査

受診をおすすめするケース

  • これまでと違う頭痛
  • 頻度・強さが増えてきた
  • SNNOOP10のレッドフラッグに該当する
  • 起床時頭痛が続き、生活に支障がある

当院での検査

詳細な問診と神経学的診察で原因を絞り、必要に応じてMRI/MRAで形態学的評価を行い、二次性頭痛の除外と、症状に応じた治療をご提案します。


10. まとめ

  • 朝の頭痛は、睡眠関連・一次性頭痛(片頭痛/緊張型)・副鼻腔炎・血圧変動・二次性頭痛・MOHなど、原因が幅広い症状です。
  • まずはSNNOOP10で危険サインを確認し、必要ならMRI/MRAで安全確認を行います。
  • 「毎朝の頭痛」「最近変わってきた頭痛」「不安が強い頭痛」は、早めの相談が安心につながります。

Q&A

今日、検査(MRI)はできますか?

初診枠は診察の1時間前までご予約が可能です。医学的に必要と判断され、MRI検査の禁忌事項がなければ、当日中にMRI検査と結果説明が可能です(混雑状況により待ち時間が生じる場合があります)。ご希望の時間に空きがない場合は、クリニックの自動応答電話にご希望時間を残してください。スタッフが確認次第、折り返しお電話いたします。

毎朝同じように頭痛があります。受診は必要ですか?

頻度や強さの変化、吐き気、視覚症状、しびれ・麻痺などの神経症状がある場合は、評価をおすすめします。変化がなくても「起床時からの頭痛」が続く場合は、睡眠関連頭痛や薬物乱用性頭痛なども含めて整理すると改善につながることがあります。

MRIは必要ですか?

典型的な一次性頭痛が疑われる場合でも、レッドフラッグ(SNNOOP10)に該当する所見があれば、原因除外のためにMRI/MRAが有用です。症状・診察所見から必要性を判断し、ご提案します。

睡眠時無呼吸が原因か知りたいです。

確定診断には睡眠検査(PSGなど)が必要です。当院で頭痛の評価を行い、睡眠時無呼吸が疑われる場合は、連携する医療機関へご紹介します。

初診でMRIをする場合、いくら準備すればよいですか?

3割負担の方で、8,500〜9,000円前後が一つの目安です(診療内容により多少前後します)。MRI検査の値段に関して詳しくはこちらをご参照ください。


受診をお考えの方へ

下高井戸脳神経外科クリニックは、東京都杉並区・世田谷区・渋谷区西部を中心に、京王線(下高井戸・明大前・桜上水・千歳烏山・上北沢・八幡山・芦花公園・笹塚・代田橋)、京王新線(幡ヶ谷・初台)、東急世田谷線(松原・山下・宮の坂)、小田急線沿線(代々木上原・東北沢・下北沢・世田谷代田・梅ヶ丘・豪徳寺)、渋谷区西部(上原・大山町・西原・本町)から通院しやすい立地にある脳神経外科専門クリニックです。

頭痛・めまい・しびれ・脳梗塞後の経過観察などを中心に、日本脳神経外科学会専門医である院長が、診察から検査結果の説明まで一貫して対応しています。

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