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頚動脈狭窄(頸動脈狭窄)について

脳疾患の解説

頚動脈狭窄(頸動脈狭窄)について

~頚動脈エコーの役割と脳梗塞との関係~

先日、高校時代の同級生と食事をしていた際に、「人間ドックのオプションで『頚動脈エコー』ってあったんだけど、あれは何?」と聞かれました。きっと、皆さんの中にも同じ疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれません。


頚動脈エコーとは

頚動脈エコー(頸動脈エコー)は、頚部にプローブを当てて頚動脈の状態を評価する非侵襲的な超音波検査です。
心臓から脳へ血液を送る主要な血管である頚動脈について、以下のような情報を詳細に調べることができます。

  • 壁の厚み(IMT:内膜中膜複合体厚)

  • 内腔の形状

  • 血流速度

  • プラーク(動脈硬化による沈着物)や血栓の有無

  • プラークの不安定性(破れやすさなど)

この検査は、頚動脈が原因の脳梗塞のリスク評価と早期発見および予防に有用です。


脳梗塞のタイプと頚動脈狭窄の関連

脳梗塞は大きく3つのタイプに分けられます。

  1. アテローム血栓性脳梗塞
    動脈硬化による狭窄部位やプラーク、そこでの血栓形成が原因。頚動脈や大動脈などの太い血管でできた血栓やプラークの破片が血流に乗って末梢の血管に詰まる「A to A(Artery to Artery)塞栓」もこのタイプに含まれます。

  2. 心原性脳塞栓
    心臓由来の血栓が脳血管を閉塞するタイプ。

  3. ラクナ梗塞
    細い穿通枝動脈が詰まるタイプ。

日本人の脳梗塞では、アテローム血栓性が約30〜35%を占めます。
特に頚動脈の分岐部(内頚動脈と外頚動脈の分かれ目)は動脈硬化やプラークが形成されやすく、破裂やびらんで血栓ができ、これが脳血管に運ばれることでA to A塞栓が発生します。


狭窄の程度とリスク

頚動脈狭窄による脳梗塞リスクは、報告や測定法(NASCET法・ECST法・Area法)によって異なります(同じ病変を評価した場合、一般的にArea法>ECST法>NASCET法の順に大きい数値になります)が、概ね以下の傾向があります。

  • 狭窄率60%未満:同側の脳梗塞発症率は1%未満/年

  • 狭窄率60%以上:約2%/年(内科治療の進歩によりより低い値が報告されるようになってきています)
    → つまり半分以上細くなっていても、脳梗塞のリスクは低めです

  • 狭窄率70〜80%超:リスクが増加

これは、頚動脈が細くなると血流の「洗い流し効果」が低下し、血栓が詰まったままになりやすくなるため(washout theory)と考えられます。

治療は、スタチンなどの脂質低下薬や抗血小板薬による薬物療法が基本です。狭窄率が高い場合には頚動脈内膜剥離術(CEA)や頚動脈ステント術(CAS)が検討されます。
私が慶應義塾大学病院で手術を担当していた頃は、無症候性の場合にはNASCET法で80%以上を一つの手術適応の目安にしていました。症候性や進行例では80%未満でも手術を検討します。


全身の動脈硬化リスクとの関連

頚動脈に狭窄やプラークがある場合、冠動脈疾患や下肢末梢動脈疾患など他の血管にも動脈硬化が進んでいる可能性があります。
一方、健康診断で頚動脈エコーに異常が見つかっても、すぐに薬や手術が必要になるとは限りません。
IMTが1.1mmを超えると動脈硬化ありと判定されますが、無症候なら生活習慣・血圧・脂質の管理を行い、経過観察することが一般的です。

ここでも”未病”の段階からの”先制医療”が重要になります。


プラーク形成と血栓生成のメカニズム

血管の内側を覆う内皮細胞には、血管内で血栓ができないようする役割があります(抗血栓性があるといいます)。
しかし動脈硬化が進行するとその機能が低下し、IMTの肥厚やプラークが見られるようになります。
特に脂質に富んだ大きなコアと薄い線維性被膜をもつ不安定プラークは破れやすく、血栓症リスクが高くなります。


まとめ

  • 頚動脈エコーは非侵襲的で短時間に動脈硬化やプラーク、不安定性、狭窄率を評価できる検査です。

  • またMRIでも頚動脈の狭窄の程度やプラークの質を画像化でき、安定性(脳梗塞リスク)の評価が可能です。

  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴のある方は特に定期的な検査と管理が重要です。


当院での取り組み

下高井戸脳神経外科クリニックでは、MRIを用いた頚動脈狭窄の評価を行って参ります(最新の超音波設備の導入も予定しておりますが、こちらは9月の開業には間に合わない見込みです)。プラークの正確な評価、投薬・生活習慣指導を通じて脳梗塞予防のお手伝いをいたします。

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京王線・東急世田谷線 下高井戸駅北口 徒歩2分(北口れんが通り沿い)
杉並区からも世田谷区からも通いやすい立地ですので、脳に関するご相談はお気軽にどうぞ。

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