頭痛でお困りの方へ
頭痛は誰もが経験する身近な症状ですが、その背景にはさまざまな原因が隠れており、中には命に関わる疾患が潜んでいることもあります。
「いつものこと」と我慢せず、専門的な評価を受けることで、正確な診断と効果的な治療が可能になります。
当クリニックでは、頭痛の原因を見極めたうえで、お一人おひとりに最適な診療を提供いたします。
頭痛の分類と注意すべきサイン
頭痛は大きく分けて、「一次性頭痛(頭痛そのものが病気)」と「二次性頭痛(他の病気が原因)」があります。
二次性頭痛のサイン(命に関わる病気が原因の頭痛)
以下のような症状を伴う場合は、“Red Flag(警告サイン)”として緊急対応が必要です
- 突然発症し、1分以内にピークに達する激しい頭痛(雷鳴頭痛:くも膜下出血など)
- 首の痛みを伴う頭痛(くも膜下出血、脳動脈解離など)
- 頭痛の性質や頻度がいつもの頭痛と全く異なる頭痛
- 意識障害、手足の麻痺・しびれ、言葉のもつれ、視野異常、めまいを伴う頭痛
- 明け方に強く出現する頭痛(脳腫瘍の可能性)
- 日を追って悪化する頭痛
これらの症状がある場合には、MRI等による迅速な画像診断と神経学的診察が必要です。
当クリニックでは、院内に1.5テスラMRIを設置しており、即日のMRI検査が可能な体制を整えています。
よくある一次性頭痛とその治療
片頭痛
- 症状:片側に拍動性の中〜重度の痛み。吐き気、嘔吐、光や音への過敏、前兆(閃輝暗点)を伴うこともあります。
- 疫学:日本人の約4%、女性に多く、10代後半〜40代に多くみられます。
- 治療:急性期にはトリプタン製剤や消炎鎮痛剤、制吐薬を使用。発作が頻回な場合は予防薬の追加を検討します。
緊張型頭痛
- 症状:頭全体を締めつけられるような鈍痛。ストレスや眼精疲労、肩こりが誘因となることが多いです。
- 疫学:有病率は20%以上。男女問わず幅広い年齢層にみられます。
- 治療:急性期には鎮痛薬、慢性化した場合は筋弛緩薬やストレッチなどの非薬物療法が有効です。
後頭神経痛
- 症状:後頭部から耳の後ろにかけて、電撃のような鋭い痛み。圧痛点がみられることが特徴です。
- 好発年齢:中高年以降に多く、首・肩の緊張と関連することがあります。
- 治療:神経障害性疼痛治療薬の内服などによる治療を行います。
群発頭痛
- 症状:片目の奥に激しい痛みが生じ、涙や鼻水などの自律神経症状を伴います。男性に多く発症します。
- 治療:スマトリプタン注射や酸素吸入など、専門的な対応が必要です。当院では酸素吸入による治療は行っておりません。
その他の一次性頭痛
(まれだが注意が必要)
- 薬物乱用頭痛:頭痛薬の使いすぎによる悪循環が原因です。使い過ぎている頓用薬の中止と、予防治療が必要となります。
- 睡眠時頭痛:明け方に出現することが多く、睡眠時無呼吸症候群との関連が指摘されています。
- 性行為関連頭痛:性行為中に誘発されます。初回発症時にはくも膜下出血との鑑別が重要です。
- 咳嗽性頭痛/運動誘発性頭痛:咳や運動時に起こる頭痛で、器質的疾患を除外したうえで内服治療を行います。
- 刺突性頭痛(アイスピック様頭痛):針で刺すような瞬間的な鋭い痛み。特定の消炎鎮痛薬が有効とされます。
下高井戸脳神経外科クリニックの頭痛診療の特徴
- 神経学的診察・詳細な問診による的確な鑑別
- MRIによる迅速な画像検査体制
- 薬物療法に加え、生活習慣やストレス対策にも注力
- 一次性頭痛に対する予防治療や長期的な管理にも対応
おわりに
「以前とは違う」「だんだん悪化している」「生活に支障がある」――
そのような頭痛は、“よくあること”では済まされません。
脳神経外科専門医による丁寧な診察と説明、安心できる治療環境のもとで、頭痛の根本的な改善を目指しましょう。どうぞお気軽にご相談ください。
私たちは、皆さまの快適な毎日を支える医療を提供いたします。